電話対応から学べる「正しい敬語」とは? | Bellbiz(ベルビズ)

電話対応から学ぶ「正しい敬語」とは

日本語の中でも難しく正しい言葉に迷うことが多い「敬語」。正直に言うと、正しく使えているのかを自信を持って言えるほどきちんと使えていないのが現状です。ただ、コールセンターという仕事は、少なからず「正しい日本語」「正しい敬語」を話すことが求められる仕事でもあります。そこで今回は、コールセンターで使われる敬語などを交えながら、敬語や話し方のコツについて、考えてみたいと思います。

敬語の基本

敬語の基本についてそれぞれご紹介します。

【1】丁寧語 謙譲語 尊敬語

敬語の基本的な3つは「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」です。日頃からよく使うものになります。
■丁寧語…「です」「ます」などを付けて敬意を払う言葉。日常会話でもよく使い、相手を問わず使う表現です。
■尊敬語…「●●さんがおっしゃる(言う)」「●●さんがいらっしゃる(来る)」など、相手を高めて敬意を払う言葉。
■謙譲語…「明日●時に伺います」「●●様より頂戴しました」など、自分を下げて、相手に敬意を払う言葉。

1つ1つの言葉を覚えていると混乱しますのでポイントを抑えるのが良いです。コールセンターには、「トークスクリプト」という、「お客さまとの会話がフローチャート形式で書いてある台本」が用意されています。こちらを元に会話をしていくうちに、覚えたというケースも多いです。

【2】美化語

現在は、さらに「美化語(上品な表現をすることで物事の美しさを高める言葉)」というものも追加されています。(※正しくは丁寧語から分割)

いわゆる「お」や「ご」がこのことを指します。「お電話」、「お水」、「ご連絡」、「ご意見」などです。

以上が敬語の基本です。コールセンターでは、「相手のことを尊敬して、心をこめてお話する」というのが敬語の基本です。そのことを頭に置いてお話していると、敬語は自然と身についてくるので、難しく考える必要はないと思います。なお、もしこれ以上のことに興味のある方は、こちらの平成19年(2007年)に文化庁が出されている「敬語の指針」を読むことをおすすめします。具体例も交えながら、最近の敬語について解説しています。

コールセンターでよく使われる敬語

コールセンターで良く使われる敬語をご紹介します。

【1】トーク編

「お電話ありがとうございます。●●コールセンターの●●でございます。」
「少々お待ちいただけますか?」

これらはコールセンターの基本と言われ、よく使用します。それぞれの言葉を分解してみます。

(1)「お電話ありがとうございます。●●コールセンターの●●でございます。」

電話の前に「美化語」である「お」がつきます。ほぼ慣用句と言ってもいいぐらいの言葉です。もし「お」が無いとしたら、すごく違和感を感じます。つづいては「ございます」。こちらは「ある」の「丁寧語」です。

(2)「少々お待ちいただけますか?」

こちらが敬語を使わなかったとするとお客様は驚きます。まず「待つ」を丁寧語にするための「お」がついており、「いただく」という謙譲語がついています。相手に「まって」「いただけ」「ますか?」と問いかけている言葉となります。状況によっては「今時間がないから」と、後ほどの対応になることもあります。

ここがもう1つのポイントで、相手に「待つ」ということをお願いするため、疑問形で投げかける「依頼形」が使われています。

依頼形の例

「お待ちいただけますか?」
「履歴書をお持ちいただけますか?」

「少々お待ちください」でも間違いではないです。しかし、よりお客様に寄り添った丁寧な対応が隠れていると言えそうです。

【2】クッション言葉編

次はクッション言葉と呼ばれるものです。

「お電話番号を教えていただけますか?」
「今、ご年齢はおいくつですか?」

コールセンターでもこんなようなトークを耳にします。もちろん間違いではないのですが、相手の情報を聞く際にとても唐突な印象があります。そこで活躍するのが「クッション言葉」です。

「恐れ入りますが、お電話番号を教えていただけますか?」
「失礼ではございますが、今、ご年齢はおいくつですか?」

クッション言葉を挟むことで、「(これから、ちょっと込み入ったことを伺いますよ)」という意思が感じられます。相手も心の準備ができます。ただ、この言葉を多用してしまうと、本当に伝えたいことがぼやけてしまうことがありますので、注意が必要です。

【3】間違い編

「こちらがマニュアルになります」
「とんでもございません!」

最後は「よくある間違い」編です。

(1)「こちらがマニュアルになります」

「なります」は「変化する」ことを表わす「成る」や「為る」を丁寧にした言葉です。ですので、上の例だと「何かがマニュアルに変わりました」という言葉になってしまいます。このため正解は「こちらがマニュアルです」というこの言葉になります。ただ、現代語では容認されている言葉づかいであるとも言えます。このため、もしかしたら今後「容認されている言葉」となり認識されていくかもしれません。

(2)「とんでもございません」

こちらはよく問題になる言葉です。最近「間違いである」とニュースサイトなどでも取り上げられていることがありました。「とんでも」と「ない」に分けられる言葉ではないので、「とんでも」「ございません」とするのは間違いで、「とんでもない」「ことでございます」とするのが正しいと言われています。ただ、言葉だけ聞くと「とんでもないことでございます」は何かおかしいと疑問に思ってしまう人も多いはずです。

先ほど挙げた文化庁の「敬語の指針」でも、「とんでもないことでございます」を使用した場合、「あなたの言ったことは、とんでもないことだ」という誤解を招く恐れがあるので注意が必要と書かれています。また、「とんでもございません」についても、「相手からの賞賛や褒め言葉を謙遜して打ち消す」という用法は問題がないとも書かれています。語法であるという解釈が現在広まっているので、使用には注意が必要な言葉としてご紹介しました。

綺麗な話し方のコツ

ここでは「綺麗な話し方」についてご紹介します。

  • 言葉づかいに間違いがないこと
  • 落ち着いて話していること
  • 相手に合わせた話し方ができていること

ポイントはこの3つです。どんなに言葉づかいに間違いが無くても、慌てた話し方では、綺麗に聞こえません。しかし、落ち着いて、相手に合わせた話し方ができていると、多少言葉づかいが間違っていても、綺麗に聞こえるということもよくあることです。

敬語の「間違い編」の「とんでもございません」でも挙げたように、「言葉の使い方」というのは、時代によって変わっていくものです。ですが、「落ち着いて話す」ことや「相手に合わせる」ことは、時代によって変わりません。ただ、これはやろうと思ってすぐできることではありません。つまり、「正しい言葉づかい」というのは、「落ち着いて話す」ことや「相手に合わせて話す(相手の真意を確認する)」ために必要なことなのです。正しい言葉づかいが出来れば、話し方に余裕ができます。余裕ができれば「落ち着いて話す」ことや、「相手に合わせて話す」ことができるようになります。こうして、「綺麗な話し方」というのは成り立っているのだと言われています。

まとめ

コールセンターの仕事は、人と対話する仕事です。敬語や正しい言葉づかいについても決まりがあります。これはコールセンターだけでなく、色々な仕事でも必要な事です。ぜひみなさんも正しい言葉づかいを一度見直してみるのもいいかもしれません。

 

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